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テレビ寺子屋
ドキュメンタリー/教養
テレビ寺子屋【アジアゾウ 奇跡の誕生/小菅正夫】
円山動物園が日本で初めての飼育法で迎えるアジアゾウの出産。1つの命が誕生する奇跡の瞬間から、群れにあたたかな変化が生まれます。
9月6日 土曜 4:52 -5:22 フジテレビ

2018年にミャンマーから円山動物園にアジアゾウを迎えることが決まりました。繁殖のことも考え、個々の相性の良い群れで、人との関係も良いゾウを円山の職員と飼育員も一緒に決めました。リーダーで最年長のメス「シュティン」と、その娘の「ニャイン」、若いメスの「パール」、そしてオスの「シーシュ」の4頭です。新しく建てた象舎は地面を深さ1mの砂にするなど自然の中と変わらない生活が送れるよう工夫しました。
また、ゾウと同じ空間に入らず柵越しにケアをする「準間接飼育」を取り入れました。
2022年の春、パールが妊娠しました。準間接飼育での出産は日本で前例がなくうまくいくか分かりませんでしたが「若いニャインに出産を見せることで次につなげよう」と決めました。
翌年8月19日、夜10時頃に陣痛が始まり、なんと30分位で無事に出産しました。パールは冷静で、すぐに羊水で濡れている赤ちゃんに砂をかけます。
そして、怪我をしない強さでポンっと何回か赤ちゃんを蹴るうちに10分ほどで立ち上がりました。パールは初産でしたが、完璧なお母さんでした。
「タオ」と名付けた赤ちゃんは、生後2ヶ月頃から他のゾウと一緒にすると、大人のゾウがタオに誘われ集まってきます。ゾウは子どもを守るために群れをつくると思っていましたが「自分を守らせる群れ」を子どもがつくるんです。そういう本能的な力を子どもは持っているのだと思います。