大忠臣蔵

ドラマ

時代劇「大忠臣蔵」 第46回「いずこの空や十四日」

三船敏郎主演。豪華キャスト全52話で放送された民放初の大河ドラマ【1971年】▽途中「天気予報」あり

9月10日 水曜 8:30 -9:30 tvk1

四方庵の弟子となった子葉・大高源五は野点の茶会で、上野介が茶室開きの茶会を催す日取りを知る。同志一同師走五日の討入りに備えるが、予期せぬ事態の出立で中止を余儀なくされた。もはや生活すら限界に近い赤穂浪人の焦燥は倍加、後はひたすら年内決行の機会あることを願うのみであった。大高源五と千代の淡い恋を交え描く。
“静”である内蔵助が悲願を達成するために自己の意志を心の奥深く秘める事によって、すべての事件やドラマが展開され進行していった従来の忠臣蔵に対して、この「大忠臣蔵」は“動”の三船・内蔵助によって、すべての事件ドラマが展開され進行していく。
内匠頭の私怨による刃傷と、内蔵助の吉良を討つ目的が、主君の仇討ちと片手落ちの政治に対する反発というだけではなく、武門の伝統を守るために世をあげて文弱に赴き剛穀廉潔の風潮のすたれるのに抗したのだとすれば内匠頭のこの悲願は、堅く心の絆で結ばれた赤穂浪士の心に通じ、元禄という時代が咲かせた華奢な形式の武士道、虚礼に扮飾された武士道に抗して滅びようとしている素朴な精神の武士道を世に訴えることでもある。
忠臣蔵は日本人の最も愛好する物語であろう。仇討ちのために、あらゆる苦難に耐えた義士たちの言行は、昔から多くの日本人の心情をゆさぶり続けてきたといえるであろう。